掲載組織プロフィール
日本大学生産工学部髙橋研究室
日本大学生産工学部髙橋研究室は、「人体の筋骨格解析」を中心とした研究に取り組んでいます。これにはモーションキャプチャを使用して、体を動かした際の関節への負荷や発揮される筋力の数値を推定、解析することが含まれています。
当初は人間の基本動作に取り組んでいましたが、最近では自動車メーカーや部品メーカーとの共同研究を行っており、自動車企業との研究では、運転時にドライバーの身体にかかる負担や乗り心地など人に関わる要素について、情報収集することが目的です。

導入の経緯
実環境でのバイク運転、ライダー動作解析という難題
通常、筋骨格解析をするときには、光学式モーションキャプチャを使って人体の動作解析を行いますが、カメラの設置範囲内でしか計測できないことや、屋外での測定は難しいという課題がありました。
これまでは光学式のモーションキャプチャを主に使っていましたが、バイクに乗車しているライダーの動作解析を行いたいという依頼がありました。カメラをバイクに治具を使って固定し、実際に走ってもらった時のライダーの動作解析をしたいという依頼に対して様々なアプローチを検討。ただ、高速で走っている中でのライダーの動作解析は難しく、筋骨格解析を扱う企業さんにご相談させていただく中で、慣性式のモーションキャプチャ(Xsens)を知りました。 ライダーの動作解析を中心に屋外計測の利便性はもちろん、Xsensで取得した動作データについてnMotion musculousとの連携が可能なことも決め手となりました。
Xsensの評価とライダー解析
Xsens Awinaハードと Analyze Proソフトの使用感については、計測開始から終了までがスムーズで、後処理が圧倒的に楽になった点が最大の利点です。
我々の研究では屋外で撮る機会も多いので、太陽光などの外部要因にも考慮が必要となります。自動車の車内での動作解析についても、最初は車内にカメラを取り付けて解析を試みたのですが、陽が落ちるまで待って夜間に作業するなどの考慮も必要でした。 また、光学式だと撮った後、マーカー欠損などについてポスト処理が色々大変だったりするのですが、その部分がすごく楽になったことは収穫でした。
バイク計測の実施状況と今後の課題
Xsens導入後、実施したサーキット上でのバイクの計測はユニークなアプローチとなりました。
ライダーの身体だけでなく、バイクの車体にもセンサーを取り付け、車体の動きとライダーの動作を同時に計測し、高速での急旋回やスラロームなどのダイナミックな動きを捉えることに成功。その際にビデオカメラも使用して動作を記録し、データの同期を試みました。
現在、ライダーの関節の角度、重心位置、車体の動き(加速度など)を基本データとして確認している段階ですが、この解析結果を部品設計などにどう活かしていくかという点が今後の課題です。従来のドライバーへのアンケートによる「官能評価」(定性評価)を、定量的な「数」で示すことができるようになると期待されています。
学生によるXsensの活用
Xsensの導入には、学生たちもとても興味を示しています。屋外で計測できるという利点を活かし、例えばサッカーのシュート動作解析を実際の外の環境で実施したいというアイデアも上がっていました。

研究室では、動作を撮って終わりではなく、そこから考察しソリューションを導き出すというプロセスを重視していますので、体の動きを解析した上で、それを工学的にどう活かすかというテーマに取り組むことを期待しています。
屋内なら光学式、屋外ならXsensという2つのモーションキャプチャが整っている環境を存分に生かしてほしいですね。
今後の研究への取り組み予定と展望
直近は、引き続きライダーの解析を進めていくことがメインになるかと思います。さらに、今後は慣性式モーションキャプチャのデータをAIや機械学習と連携させていきたいですね。nMotion musculous以外のソフトウェア、例えばOpenSimなどとの連携がよりスムーズになるよう、事例や説明書などの情報を充実させてほしいです。
また、オプションとして指の動作解析ができるMANUS Prime 3グローブも導入しているので、ライダーのアクセルやブレーキ操作への応用に関心があります。ManusのデータはまだnMotionでの筋骨格解析に落とし込むことができていないため、解析側へのスムーズな連携が進むことも期待しています。
まだ迷っていますか?専門スタッフが無料でご相談承ります
用途・予算に応じた最適なシステム選定から、デモ機のお試しまでサポートいたします。